FILE NO 164 宮崎と周辺の植物
ヤマトアオダモ Fraxinus longicuspis Sieb. et Zucc.
大和あおだも モクセイ科
撮影日 2008.3.29
撮影場所 宮崎市

 ヤマトアオダモ(別名オオトネリコ)は、青森県〜九州にかけて分布する日本の固有種で、 宮崎県でも沿岸部を除いて低地から高地まで散在しているが、花も果実も目だった特長がないので他の高木類に紛れて分りにくい。
 アオダモなどは白い花弁が遠くから見えて存在を確認できるが、ヤマトアオダモは花弁そのものが無いので、同時に展開する新葉との区別がつかないし、成長して高くなった木に開花するので、簡単には近くで見ることもできない。
画像1 目印となる花弁が無い上に、近づけない谷向こうやはるかな高みに花をつけるかなり撮影の困難な高木で、取り立てて役立つ木でもないが、その悠揚として迫らない風格はヤマトを冠するに相応しい。撮影困難な理由ばかりでは無いが、ページアップに7年を経過している。 葉が広くて葉裏に毛の多いものを、品種のツクシトネリコやウラゲオオトネリコ等として、区別している図鑑等もある。
画像2 標高1000m近い山地林道わき、円錐花序は弓なりに垂れて、
        花弁の無い花(両性花)が見える。葉柄にはまだ毛が残っている。
撮影:(2007.4.29 西米良村)
画像3 開花時の樹冠、花は黄緑色の新葉に溶け込んで識別できない。
     高さ10mほどの木だが、花は手の届くような高さには咲かない。
撮影:(2008.3.29  宮崎市)
画像4 (両性花)花序は長さ10cmほど、黒い葯と白い花糸が見える。
撮影:(2007.4.29 西米良村)
画像5 ガクは杯状、 2個のオシベと1個のメシベ(全長約7ミリ)の両性花、。
.撮影:(2008.4.29 西米良村)
画像6 展開したばかりの両性花の花序。
撮影:(2001.4.22 宮崎市)  
画像7 展開直後の両性花、葯は紫褐色。
撮影:(2001.4.22 宮崎市)
画像8 高さ15mほどの均整のとれた枝ぶりで代表的な樹形。  撮影:(2004.5.1 高千穂町) 画像9 高さ5mほどの落葉期の樹形。
撮影:(2008.3.27 宮崎市)
画像10 樹幹はごく薄いねずみ色で、このような模様が良く見られる。
撮影:(2005.7.24 西米良村)
画像11 成長した枝は無毛で縦に小さな溝がある。葉柄基部は膨らむ。
撮影:(2005.7.24 西米良村)
画像12 葉は、奇数羽状複葉で、5〜7の小葉が出るが、軸は多少ジグザグに曲がる。
撮影:(2001.7.19 西都市)
画像13  小葉は普通10cmほどで先は細長く尖って丸みのある鋸歯が目立つ。葉柄は1cmほど。
撮影:((2005.7.24 西米良村)
画像14 葉の下面。葉脈が浮き出て、葉柄つけ根は膨らんで赤みを帯びる。 葉はやや硬い。
撮影:(2005.7.24 西米良村)
画像15 展開後の若い枝先はまだ縮れた毛が残る。枝先の頂芽は常に毛の覆われている。
撮影:(2005.5.29 宮崎市)
画像16 葉の展開時は、枝も柄も下面の脈も淡褐色の縮れた毛で覆われるが、やがて落ちる。
撮影:(2007.5.2 高千穂町)
画像17 縮れ毛の様子。緑の部分は手で取り除いた箇所、やがて画像15のようになる。
撮影:(2007.5.2 高千穂町)
画像18 冬芽。頂芽は長さ7〜8ミリあって、外側の2個の間にすき間ができる。
撮影:(2007.1.28 西米良村)
画像19 芽鱗(頂芽を包む鱗片)は縮れた毛に覆われている。アオダモマルバアオダモの芽鱗と形が違う。  撮影:(2006.1.3 西都市)
画像20  花が終わった時期の果序。長さ3ミリほどの果実となっている。
撮影:(2007.5.2  高千穂町)
画像21  まだ未熟な果実。多くの果実が枝先に垂れ下がって風に揺れる。
撮影:(2016.8.21  宮崎市)
画像22 長さ3.5cmほどになった果実だがまだ緑色で未熟、基部近くの膨らみに種子がある。
撮影:(2007.7.21 宮崎市)
画像23 熟した果実。基部に納まった種子は長さ約9ミリで、縦にしわが入る。
撮影:(2007.9.27 宮崎市)
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