FILE NO 324 宮崎と周辺の植物
オオバノハチジョウシダ Pteris excelsa Gaud.
大葉の八丈羊歯 イノモトソウ科
撮影日 2014.1.11
撮影場所 宮崎市

  秋田・宮城県~鹿児島県種子島辺りまで分布するという常緑の大型シダで、高さ2mを超える大きなものもある。朝鮮~中国中南部~東アジア、オセアニア辺りにも広く分布するという。
  宮崎でも低山地の水べりや水湿地に広く自生していて、葉形に特徴があって大きいので遠くからでも良く分かる。
  種小名「excelsa」は高いの意味で、画像の中の向こうに見える葉は全体で2.1m、葉柄は95cmほどもある。 オオバアマクサシダの画像を末尾に掲載。
画像1 谷水が流れる山道脇の低地、傾斜地で四方に葉を広げた株
画像2 木漏れ日の当る林内、色は白っぽく写ったが長さ1.7mほどの葉、
    左右均整のとれた葉を長い葉柄の先でゆったりと湾曲させる。
撮影:(2014.1.11  宮崎市) 
画像3 先端まで40cmにもなる羽片は殆ど羽軸まで切れ込んで、左右とも
      櫛の歯状になる。尾状に伸びた羽片先端は長さ約10cmにもなる。
撮影:(2014.1.11  宮崎市)
 
画像4 栄養葉の小羽片上面。小羽片の1/3ほどから先に鋸歯がある。葉縁には膨らみがない。
撮影:(2014.1.13 宮崎市)  
  画像5 胞子葉の上面。下面の胞子嚢群の膨らみが反映して少し上側に反っている。
撮影:(2014.1.11  宮崎市)    
 
画像6 小羽片の上半部。ソーラス(胞子嚢群)がつかない先端部には鋸歯がでる。
撮影:(2014.1.11  宮崎市)  
  画像7 羽片の軸と分岐する小羽片の軸が交わるところに細いトゲ状の毛がある。
撮影:(2014.1.13  宮崎市)  
 
画像8 羽片の下面。羽片は少しずれた対生状に出て、内側(軸側)小羽片が外側より短い。 
撮影:(2014.1.11  宮崎市)  
  画像9 小羽片のソーラスは先端部を除いてほぼ全縁につく。未発達の対小羽片にもついている。
撮影:(2014.1.12  宮崎市)  
画像10 小羽片の拡大画像。羽軸についた褐色の鱗片が見える
        ソーラスは裂片の縁に沿って長く、裂片の縁を下側(裏側)
       に巻き込んで無毛の薄い偽包膜をつくって胞子嚢を覆う。
       小羽片の葉脈は基部近くで分岐して葉縁直前で消失する。
 撮影:(2014.1.13  宮崎市)
 
画像11 10cmほどにもなる羽片先端部も小羽片と同様で、先端部にソーラスはなく鋸歯がある。 
撮影:(2014.1.11 宮崎市)
画像12 ソーラスを保護して覆っていた包膜が一部破れて露出したソーラスが見える。
撮影:(2014.1.13 宮崎市)
 
画像13 葉柄から中軸前側(葉の上面側)にかけて目立つ縦溝が走る。この面はやや緑色が強い。
撮影:(2014.1.12 宮崎市)
  画像14 葉柄から中軸の後ろ側(葉の下面側)に縦溝は無く、短い鱗片があって淡暗紫色。
撮影:(2014.1.11 宮崎市) 
 
画像15 葉柄下部はわら色から紫褐色。縦溝は浅くなり褐色の鱗片が少し目立つ。
撮影:(2014.1.12 宮崎市)
  画像16 根茎は太くて塊状、黒褐色の細根で覆われる。葉は根茎から束生する。
撮影:(2014.1.11 宮崎市)  
画像17 (参考) よく似ているといわれるオオバノアマクサシダで長さ1m
      ほど、羽片の内側裂片が一部または全部が欠けるのが特徴。
撮影:(2014.1.12 宮崎市)      
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